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命令を拒絶した兵士と将軍の末路を描いたキューブリックの「異色作」
『突撃』は1957年に公開された米国の反戦映画で、共同脚本と監督はスタンリー・キューブリック、原作はハンフリー・コッブの小説『Paths of Glory』。第一次世界大戦を舞台にしており、主演はダックス大佐役のカーク・ダグラスで、ダックス大佐は自殺攻撃の継続を拒んだフランス兵の指揮官で、大佐は攻撃終了後の軍法会議で臆病の罪に問われたフランス兵を弁護します。
映画はカーク・ダグラスの映画プロダクションであるバーニャプロダクションとスタンリー・キューブリックとジェームズ・B・ハリスのハリス・キューブリック映画社との間の共同製作でした。
本作のオープ二ング場面は、1916年までの第一次世界大戦下の塹壕戦の状況を語るボイスオーバーです。ある城館では、フランス軍参謀部の所員であるジョルジュ・ブルラール将軍が部下である野心的なミロー将軍に「アントヒル」と呼ばれる防御堅固なドイツ分陣地を奪取できないか尋ねています。初めのうちはミラー将軍は成功の確率がないことを引いて攻撃を拒否していましたが、ブルラールが昇進をチラつかせると、ミラーは攻撃は成功すると前言を翻します。
映画批評サイト「ロッテントマト」は、「『突撃』はスタンリー・キューブリックによるとてつもなく人間的な戦争映画で、印象的でありながらも延々と続く戦闘場面と観客を打ちのめすエンドシーンがある」と評価を述べています。