羅生門(1950年の映画)

羅生門(1950年の映画)のレビュー・評価・感想

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羅生門(1950年の映画)
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初期黒澤映画の最高傑作!

『羅生門』は1950年に公開された時代劇風の心理スリラー/犯罪映画で、監督は黒澤明、撮影の宮川一夫と緊密に連携をとりながら製作された。出演は三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬。さまざまな登場人物が侍が森の中で殺されたさまを語ります。映画の筋書きと登場人物は芥川龍之介の短編『薮の中』に基づいていて、タイトルと枠になる物語は、芥川の別な短編『羅生門』をベースにしています。ストーリーのすべての要素は大部分が等価で、森の中の賊に神道の霊媒を通して語りかける殺害された侍、僧、妻の暴行、嘘をつくことで自分の理想を示そうとる、できごとについての不誠実な「語り」。
本作の筋書きはさまざまな登場人物が、同じ小事件について、主観的。代替的、手前がっての、そして相矛盾する語りをなす点にあります。この作品は1951年のヴェネツィア映画祭の金の獅子賞や1952年の第24回アカデミー名誉賞などの複数の賞を受賞し、かつて製作された映画の中で最も偉大な作品の1つと考えられています。『羅生門』効果は、黒澤作品に因んで命名されています。
海外の映画批評家の多くは、本作に対して好意的な評価をしています。『ニューヨークタイムズ』紙のボズレー・クラウザーは「この映画が持つパワーのほとんどは、黒澤監督が用いたカメラワークの素晴らしさに由来している。撮影は見事で、映像の流れは言葉にできない表現力がある。音楽や効果音も見事であり、役者たちの演技も刺激的だ」と評しました。ロジャー・イーバートは本作を自身が選ぶ最高の映画のリストに加えています。