プラトーン / Platoon

プラトーン / Platoonのレビュー・評価・感想

プラトーン / Platoon
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凄惨なベトナム戦争の歩兵戦の実態をフィクションとして造形した戦争映画の傑作『プラトーン』

1986年に米国で公開された映画『プラトーン』は、オリバー・ストーンが脚本と監督を務めた作品で、トム・ベリンジャー、ウィリアム・デフォー、チャーリー・シーン、キース・デヴィッド、ジョン・C・マックギンリー、フォレスト、ジョニー・デップが出演しています。これはオリバー・ストーンが監督したベトナム戦争3部作のうちの第1作にあたります。ちなみに、第2作が『7月4日に生まれて』(1989年)、『天と地』(1993年)は第3作です。『プラトーン』は、戦場でのストーン自身の体験を映画化したもので、ストーリーラインでは志願兵としてベトナムに赴いたアメリカ兵(シーン)の目を通して小隊長の軍曹と分隊長たちの戦場での葛藤と生き様を描いています。
ストーンはベトナム戦争に歩兵として従軍した経験を基にして脚本を書き上げ、ジョン・ウェインの『グリーンベレー』に描かれた戦争イメージに対抗しました。ストーンのキャリア的には『ミッドナイトエクスプレス』と『スカーフェイス』といった作品の脚本を執筆した後であり、ストーンは映画製作の資金を確保するために東奔西走していたと言われています。『サルバドール』の企画と抱き合わせである映画会社が出資することになり、撮影は1986年の2月にフィリピンで僅か54日間でなされました。ベトナム戦争からの復員兵が脚本と監督したのはハリウッド史上で初記録となりました。公開後には、ストーンの監督と脚本家としての力量、戦闘シーンのリアリズム、シーン、デフォー、ベリンジャーの演技力が批評家たちによって高く評価されています。