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見ていて辛くなるシーンもあるけど、母と子の関係を考えさせられる映画です。
主人公の周平と母親の関係が見ていてとても辛いです。母親は自分勝手に生きていて、男に依存し生活してるため仕事もしていないし、家事もしません。そのため、周平は学校にも行けず友達もいないので、ずっとひとりぼっちで過ごしていてとても辛いです。生活費が無くなると、母親の命令で祖父母や叔母、離婚して養育費の支払いを毎月している父親に周平が1人で嘘をつきお金を借りに行くシーンがあります。何度も借りに来る周平に、怒鳴り苛立ちをぶつける大人達ですか、生活費がないのは働かない母親のせいです。なのに周平が代わりに、激しく怒鳴られなじられてしまいます。結局お金を借りられず、母親にも怒鳴りつけられ、板挟みになるとても辛いシーンです。母親の彼氏もまともな大人ではないため、生活はどんどん荒れていきます。ホテルに住んだり、窃盗したり、あてのない暮らしは長く続きません。ついには、ホームレスのような生活を強いられるになります。ここで福祉の手が差し伸べられ、周平はついに学校に通えるようになりますが、また男の介入により壊されていきます。初めて、学校に行きたい!と抵抗する周平ですが、母親によりその抵抗は無駄に終わってしまうのです。この時、意を決して自分の意見を初めて言った周平に対して、母親なのになんて酷いことを言うのかと誰もが思うでしょう。ほんとに酷いことを言います。この映画は、過去にあった実際の事件を元に作られた作品のため、すごく辛い日常がたくさんあります。最後に事件を起こすのも、母親による命令です。自分の手は汚さずに、手を汚すのはいつも周平です。でも、周平はそんな母親でも愛していて、映画の最後のセリフが、とても切なく悲しく深いなと感じます。母親と子供の関係を考えさせられるとても、深い映画です。