グローリー・ロード

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グローリー・ロード
10

圧巻のラスト20分。人種差別に一石を投じたバスケットコーチの感動の実話。

2006年に公開された、ジョシュ・ルーカス主演のヒューマンドラマで、白人至上主義時代の大学バスケットボールで、初めて黒人を起用し伝説を残したドン・ハスキンズの自叙伝をもとに制作されました。

映画の舞台となったのは1960年代のアメリカ。当時はまだ白人至上主義の考えが根強く、当時の大学バスケットボールでの試合では、ホームで1人、アウェイで2人、そして負けている時で3人しか出場させないという暗黙のルールが存在していました。

そんな時代の中、主人公のドン・ハスキンズはテキサス州にあるテキサス・ウェスタン大学(現テキサス大エルパソ校)のバスケットボールチーム「テキサス・ウェスタン大マイナーズ」のコーチに就任します。しかし、田舎町の大学チームということもあり、有能な白人選手をスカウトできる程の資金があるわけもなく、早くも行き詰まります。

そこでドン・ハスキンズはアメリカ各地へ足を運び、なんと黒人選手をスカウトしてきたのですそうして、テキサス・ウェスタン大マイナーズは12人中7人が黒人選手という、全米で類を見ない異例のチームとなりました。試合は連戦連勝で、チームの絆は深まっていきます。

しかし、試合に勝てば勝つほど、黒人が活躍すればするほど、それをよしとしない白人からの暴力や脅迫、罵声や嫌がらせなどは酷くなっていきます。黒人選手はだんだんと白人を恐れはじめ、思ったようなプレーをすることができずチームは衝突し始めます。

立ちはだかる人種差別という大きな壁。それをを乗り越える方法はただ1つ、試合に勝つこと、勝ち続けることでした。

そしてついにNCAA(全米大学体育協会男子バスケットボール)トーナメントの決勝戦。相手はアドルフ・ラップ(ジョン・ボイト)コーチ率いる強豪ケンタッキー大学。この絶対王者を相手にドン・ハスキンズは驚きの行動にでます。

時代に流されることなく、信念を貫き通した名監督ドン・ハスキンズ。白人至上主義の時代に一石を投じた彼の生きざまと、さまざまな困難に挫けることなくコーチを信じ続けたチームメイトの熱い絆の物語をぜひご覧いただけたらと思います。