私の正しいお兄ちゃん

私の正しいお兄ちゃんのレビュー・評価・感想

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私の正しいお兄ちゃん
6

恋愛×サスペンスだけど…どちらに対しても惜しさを感じた

好みは人に分かれると思います。
スーパーのアルバイトで生計を立てている大学生の理世が、同じ職場で働くフリーターの海利と恋に落ちる話です。どこでも眠れるという特技を持つくらい布団で寝ることが大好きな理世と、不眠症に悩まされている海利。海利は理世の側でなら眠ることができるのでそばに居てくれるようにお願いします。生き別れた兄の面影を海利に感じていた理世は動揺しながらも快く海利のお願いを引き受けます。普通の恋愛漫画だとしたらとても運命的。しかし海利には人を殺してしまったという秘密がありました。たまたま秘密を知ってしまった理世はなお海利のことが好きだという気持ちが募らせていきます。これだけでも衝撃的な展開なのですが、海利にはまだ秘密がありました。海利が殺した人物が、生き別れた理世の兄だったのです。それを知った理世と海利がどう動くのか。警察から逃げ切れるのか。正しさとは何か考えさせられる作品です。題材が題材なので理解しにくい部分もたくさんありましたが、もし自分だったらどう思い行動するのか考えるのは楽しかったです。ただ、後半から2人のやりとりにキュンキュンする余裕はありませんでした。ハッピーエンドなのかもしれませんが、余りに2人だけの世界感が強くて置いてけぼりをくらった感じはします。恋愛要素を求める方には向かないかもしれません。そして、最終的に警察から逃げ切る方法も疑問点が多くあり、サスペンスとしても惜しい感じがしました。どちらかの要素がもっと張り切っていれば面白いのになと思いました。