モーテル(映画)

モーテル(映画)のレビュー・評価・感想

モーテル(映画)
5

中庸なスナッフ系サスペンス

夜道をドライブ中に道に迷った夫婦が、曰くのあり過ぎるモーテルに泊まり、地獄のような体験をする羽目になるサスペンス映画です。
ネタをバラすと、そのモーテルは宿泊客を惨殺するスナッフ動画撮影用のモーテルでした、というものです。
曰くのある場所や宿泊施設に行き、そこで快楽殺人の犠牲になるスナッフ系の映画は、イーライ・ロス監督の「ホステル」始め、かなりの数があり、その中で本作は出来は悪くなく一定のクオリティは保ちつつも、特別際立った特徴があるわけでもない、中庸な映画だと感じました。
施設の人間が怪しいというのはこの手のジャンルの定石ですし、目を覆うような残虐シーンがあるわけでもなく、予想外のどんでん返しがあるわけでもありません。
鑑賞中はおおよそ、「だいたいこんな進み具合なら、先はこんな展開になりそう」という予想の範疇をほぼ超えることなく、一応一通りの型は保ったという感じで映画が終わります。
夫婦が追い詰められる際の緩急の付け方や、そつのない筋運びなど、決して見劣りするものではないと思いますが、本作でしか見れない何かの要素も特に見受けられませんでした。
大手を振ってお薦めはできませんが、暇潰しとしてなら鑑賞に耐えれる映画だと思います。
また、「レザボア・ドッグス」などのカメラマンを勤めたアンジェイ・セクラの暗く重厚な色合いの撮影が素晴らしく、個人的には本作で最も良く感じられた点でした。