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走るゾンビの元祖。でも従来のゾンビ映画とは決定的な違いが。
ゾンビのイメージと言えば、ゲーム『BIO HAZARD』などにも見られるように基本的にはノロノロフラフラと歩いている姿を想像すると思います。
そして体中の肉が腐り、生きた人間の肉を求めて彷徨う姿が一般的です。
映画『28日後…』では、そんなゾンビの常識を覆した走るゾンビの姿を拝むことができます。
今でこそ『ゾンビランド』や『ワールドウォーZ』、アジアでも『新感染』や『アイアムアヒーロー』などゾンビパニック映画では走ったり跳んだりアグレッシヴな姿は珍しくありません。
しかし本映画ではゾンビと言うよりもむしろ「自我を失い凶暴化するウイルスにかかった人たち」なので一口にゾンビと言ってしまってよいのか悩んでしまうほど斬新で新鮮な設定です。
従来のゾンビの様にすでに死んでいて彷徨い続けるのではなく、ただ自我を失っているだけなので何日も人肉にありつけていない感染者はもちろん餓死してしまいます。
つまり感染が爆発しても感染者たちが勝手に餓死してくれるまで持ちこたえることができれば、感染から逃げ切ることができます。
大抵のゾンビ映画はなんとか生存者が脱出して安全圏まで行けば、ワクチンなどが開発されて終焉…ということが多いのですが、感染者たちの餓死を待って徐々に人々が生活を取り戻していくという設定が続編『28週後…』に繋がるので次回作まで見越した素晴らしい脚本と言えるでしょう。