記憶探偵と鍵のかかった少女 / Mindscape / Anna

記憶探偵と鍵のかかった少女 / Mindscape / Annaのレビュー・評価・感想

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記憶探偵と鍵のかかった少女 / Mindscape / Anna
8

事件の当事者の記憶をたどって真相を究明する探偵と彼が巻き込まれるある少女の事件

何か夢を見ていたような感覚だった。
真相を突き止めようとする超能力者記憶探偵が、事件を依頼されて真相を突き止めるまでのストーリーが、実は記憶探偵がその事件で容疑者となり、別の記憶探偵から真相を探るため自分の記憶を再現させられていたのだ。
事件のクライアントであるアナは非常に頭の良い少女で、何回も記憶探偵の調査活動セッションを重ねるうち、自分もセッションを操ることができるようになっていた。
真相を証明して!わたしの安息はあなたしかいないのよ!そう懇願するアナには目的があった。
何が真相で何が嘘なのか様々な疑問を抱え物語は進んでゆく。
アナが過去に起こした何件もの事件は両親の束縛から離れたい、他人と正常な交友関係を築くための歪んだ欲望だったのだ。
欲情処理の写真も、少女が持っていれば秘密になるが、成人男性が持っていれば犯罪へと発展してしまう。
アナは自分が資産を手にし、両親の束縛から逃れて自由になるために記憶探偵ジョンを利用したのだ。
女性が持つ恐ろしさとしたたかさを十分に味わえた作品だった。
女性の親密な行動というのは裏に何が隠されているかわからない。
ジョンも完全にアナに同調してアナを一生懸命助け出そうと必死になっていた。
アナはジョンに殺されたと世間に思わせ自由になろうとしていた。
過去の事件は無実だったがアナは犯罪者だったのだ。
女性を口説こうとしている男性諸君、少女ときれいな女性には十分ご注意を!