おとめ妖怪 ざくろ

おとめ妖怪 ざくろのレビュー・評価・感想

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おとめ妖怪 ざくろ
8

半妖と軍人の恋と戦いのお話

舞台は改暦の頃の日本。人間と妖怪(妖人)が共存しているが、あまり折り合いは良くありません。改暦に反対している妖人達との緩衝材になればと、妖怪にまつわる事件を軍人と妖人達の代表とで解決するための新組織「妖人省」が作られました。
妖人省で働く半妖の少女たち、主人公の西王母桃(ざくろ)・薄蛍(すすきほたる)・双子の鬼灯(ほおずき)と雪洞(ぼんぼり)や3人の軍人の青年、総角景(あげまきけい)・芳野葛利劔(よしのかずらりけん)・花桐丸竜(はなぎりがんりゅう)の恋愛模様を描いています。
人間たちから疎まれている妖人であるざくろ達を偏見を持ってみたりせず、一個人として対等に接する総角景ら軍人の3人も魅力的です。また、各キャラクターの背景もしっかり描かれており、それぞれのストーリーもとても面白いです。そして、人を惑わし、喰ったり、コレクションしたりする妖怪たちとの戦闘シーンもかっこよく、キャラクターたちの表情もとても表現豊かです。
ざくろの生い立ちに迫る話では、妖怪としての力の本領を発揮するざくろの美しさと迫力にため息が出ました。個人的に作者の星野リリィさんの絵が大好きなのですが、服や建物にまでこだわっており細部まで楽しめます。星野リリィさんはイラスト集も出していらっしゃいます。