Something ELse

Something ELseのレビュー・評価・感想

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Something ELse
9

一曲しか知らない?もったいない。

「あぁ、ラストチャンスの人達だよね」
という方が多いかもしれないが、本当にそれだけではもったいない。素晴らしい楽曲がテンコ盛りなのだ。

Something ELse(通称サムエル)は、

大久保伸隆(メインボーカル・アコースティックギター)
伊藤大介(ボーカル・アコースティックギター)
今井千尋(ベース・キーボード・ボーカル)

の3人からなるユニット。
3声の美しいハーモニーと、時に暖かく時に冷たく響く、アコースティックギターが強くフィーチャーされたサウンドが特長。

メインライターである今井の生み出す、さわやかで耳なじみの良いメロディ
それとは違う一面を加える、伊藤の手がける「ウソツキ」や「磁石」のような哀愁漂うサウンド
これらを「Something ELse」という一つの世界にまとめ上げる大久保の太く安定した歌声。

緻密に計算されたコーラスワークとギターフレーズがとにかく気持ちよく、何の抵抗もなく体内に流れ込んでくる。

おすすめの曲を挙げだしたら枚挙に暇がないのだが、一つ紹介するのであれば14枚目のシングルである「少年」だ。
何とこちらの楽曲は3つのコードしか使用されていない。
また楽器もほぼドラム・ベース・ギターのみというシンプルさでありながら、
それを感じさせないグルーヴで、まさにサムエルの代名詞ともいえる楽曲に仕上がっている。

残念ながら2006年、10周年を目前に解散してしまった彼らだが、
ラストチャンスを掴んだ後には、間違いなく歴史に残る名曲が存在した。