異端の鳥

異端の鳥のレビュー・評価・感想

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異端の鳥
8

東欧圏でのユダヤ人大迫害を描いた異色の国際共同製作映画『異端の鳥』

『異端の鳥』は2019年に国際的に共同製作されたモノクロの戦争劇映画で、監督・脚本・製作はヴァーツラフ・マルホウル。
本作はイェジー・コシンスキによる同名の小説を原作としています。
また、この作品は国際スラブ語で製作された最初の作品でもあります。
マルホウルは、映画の筋書きからはスラブ国家の正体が分からないようにするために国際スラブ語を用いる決断をした、とのことです。
『異端の鳥』はヴェネツィア国際映画祭のコンペに選出され、またトロント国際映画祭の特別上映作品に選出されました。
さらにBFIロンドン映画祭でも上映されています。
アカデミー賞の最優秀国際作品へチェコからのエントリ策として選出されました。
ヴェネツィア、トロント、ロンドンの各映画祭では残忍な場面では観客が退場するという事態も起きました。
ワルシャワ国際映画祭では、たった1回の上映の後で観客が長時間のスタンディングオーベイションを捧げました。
『異端の鳥』はアンドレイ・タルコフスキィによる映画にテイストが似ているとのことで批評家からとても好意的な反応を得ています。
批評集計サイト「ロッテントマト」では、「ナチドイツの描写では残忍さに妥協がなされず、『異端の鳥』は身の毛もよだつ衝撃を与える暗黒の恐怖を正当化するような難しい作品である」と評価しています。
ジャーナリスト向けの特別内覧会では10分間に及ぶスタンディングオーベイションが捧げられています。