フェア・ゲーム(2010年の映画)

フェア・ゲーム(2010年の映画)のレビュー・評価・感想

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フェア・ゲーム(2010年の映画)
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イラク戦争開戦の陰謀を暴く政治スリラー映画の傑作『フェア・ゲーム』

『フェア・ゲーム』は2010年に公開された政治劇映画で、監督はダグ・リーマン、出演はナオミ・ワッツ、ショーン・ペン。本作の原作はヴァレリー・プレイムが2007年に発表した回想録『Fair Game』とジョゼフ・ウィルソンの回想録『The Politics of Truth』(2004年)です。ワッツはプレイムとして出演し、ペンは彼女の夫であるジョー・ウィルソン役を務めました。この映画はカンヌ映画祭のパルムドール賞に対する公式選出作品の1つになりました。ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では「表現の自由賞」を受賞しています。ワッツとペンの共演は『21グラム』と『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』に続き3作目となります。映画批評サイト「ロッテントマト」は「この映画が事実に基づいた伝記映画と政治的なスリラーの間で均衡を保とうとして苦戦している」と評した一方で、「正義の怒りをたたえた作品であり、ナオミ・ワッツとショーン・ペンの卓抜した演技によって支えられている」と賞賛しています。
ジョー・ウィルソンが事実を究めるためにニジェールに赴いたことでサダム・フセインが現地でウラニウムを入手しようと試みたという英国の主張を挫いたという、この映画の前提は一部の政治ライターによって議論され続けていますが、映画公開の年の『ワシントンポスト』のコラム記事はパルメ事件を扱って、ウィルソンがくだした状況の評価は正確であったとしています。