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少女漫画にしては珍しくベトナム戦争もの
物語の時代背景が1960年代でベトナム戦争中のアメリカを描いた大学生のラブストーリーになる作品ですが、当時の戦時中の残酷なストーリー展開がよりリアルで少女漫画が好きな人に是非とも読んでほしい物語になります。
当時のベトナム戦争ではアメリカは召集令状と呼ばれる書類を渡された男たちはみんな軍隊に入隊する選択肢しかありませんでした。それは移民や市民権を持っていない男性も同じでした。アメリカは人種平等に徴兵しているのは建前であって実際はまず最初に黒人、そして次にラテン系を含む中南米系、スペイン語圏の民族、インディアン、そして白人ではイタリア、アイルランド系、そして僕たちと同じ日本人や中国人、朝鮮人を含むアジア人、ユダヤ人などの有色人種や黄色人種が真っ先にベトコンが潜む最前線に送られるということだった。主人公の少女のボーイフレンドも中南米系の学生で徴兵されてしまう。ベトナムの戦場で彼女自慢していたボーイフレンドの入隊同期がベトコンの子供に道連れに自爆されるシーンが物凄く死亡フラグを忠実に描いていて恐ろしく感じました。戦争の残酷さ、戦争によって引き裂かれる愛、死んでいった若い兵士たちの生き様も想像するだけでゾッとくる物語できた。