スクールガールズ

スクールガールズのレビュー・評価・感想

New Review
スクールガールズ
7

2020年にスペイン映画界に巻き起こった新風『スクールガールズ』

『スクールガールズ』は2020年に公開されたスペインの劇映画で、脚本と監督はピラー・パロメロ。出演はアンドレア・ファンドスとナタリア・デ・モニーナ。本作は、修道院に通うセリアが友人たちとの新たな経験を通して思春期への扉を開け、家族を、そして自分自身を知っていく過程を描きます。
ベルリン国際映画祭への出品と新人監督賞・クリスタルベア賞へのノミネートを皮切りに、今日までスペイン国内を中心に26もの映画賞を受賞。名実ともに2020年のスペインを代表する映画となりました。
監督・脚本を務めたピラール・パロメロ監督自身も4歳から修道院で学んでおり、長編デビュー作にしてスペイン映画界アカデミー賞とされるゴヤ賞作品賞・脚本賞を受賞した本作には、ピラール・パロメロ監督自身の体験が色濃く反映されています。
ピラール・パロメロ監督は、「きわめて保守的なスペイン修道院の教育と、オリンピック開催の熱狂渦巻く、外の世界に溢れる刺激には大きなギャップがありました。しかしわたしたち―1992年当時の教育を受けた女性たちこそが「勉強をし、独立して、なりたいものになれる」とはっきり感じることができた初めての世代だったのではないかと思います」と語っています。
韓国のキム・ボラ監督が自身の経験を踏まえ、14歳の少女ウニを主人公に描いた韓国映画『はちどり』と共鳴するような、1990年代とそこに生きる少女たちのささやかな前進を描いた作品です。
主人公セリアを演じるのは、本作が初主演となるアンドレア・ファンドス。ピラール・パロメロ監督は「彼女こそがこの映画の魂」と絶大な信頼を寄せます。
母親役にはゴヤ賞2冠のナタリア・デ・モリーナ。『悲しみに、こんにちは』のプロデューサーでもあるヴァレリー・デルピエールがプロデュースを務めました。