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ポーランド「連帯」運動の伝説の指導者の半生を静かに描いた『ワレサ 連帯の男』
『ワレサ 連帯の男』は、2013年公開のポーランド映画で、監督はアンジェイ・ワイダ。主演はロベルト・ウィキエヴィッチをレフ・ワレサに配したと言います。ワイダはクラクフの2012年4月の映画祭で映画公開後のトラブルを予見していたと語りました。この映画は、第86回アカデミー賞の最優秀外国語映画賞のポーランドからの候補作とされましたがノミネートはされませんでした。ポーランド・グダニスク造船所の電気工ワレサは1970年代を通して地元のデモに参加していました。当局の弾圧でデモは血まみれの惨劇に終わるのですが、それでも彼は日々の組合活動に没頭していました。その10年後に新たな蜂起が発生して、ワレサは思いがけなくもカリスマ的な造船所労働者の指導者に祭り上げられるのでした。ワレサの指導力は、時代の共産主義体制を成功裏に乗り越えられた新しい運動の始まりを意味するだけでなく、ワレサはポーランドの民衆を多数派を代表する地位に彼を押し上げたのです。対決するには強大だと以前は思われていたソビエト連邦も遂にはワレサらの運動を受け入れ、ポーランドの連帯の事例は東欧にドミノ倒しの効果をもたらしました。東独の民衆はポーランドの事例に倣って、自由を求めるデモを開始し、ドイツ統一を平和裡になし遂げたのです。