地獄のガールフレンド

地獄のガールフレンドのレビュー・評価・感想

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地獄のガールフレンド
8

現代女性の生き方をゆるくぶった斬る、女三人同居生活物語

「お母さん」と他人に呼ばれることに疑問を感じるバツイチシングルマザー加南(31)と初めての相手が既婚者でありセカンドバージンの真面目OL悠里(28)、清々しいほどモテまくり我が道を行く奈央(36)。共通点は「友達ゼロ人」。生き方も考え方も全く違う三人が日々の不満や女の人生について語り尽くすデトックス同居物語である。

作者は「おんなのいえ」「先生の白い嘘」など、あまり触れられたくないリアルな感情や問題を容赦無く描かれるのが特徴的な鳥飼茜先生。
そんな先生がコミカルにガールズトークしつつも、皆がうっすら思っていた隠したい心情をズバッと描かれるのはとても気持ちがいい。しかし、共感しすぎてしまうが余り痛いところを突かれすぎてドキッとしてしまうこともしばしば。

また、そんなガールズトークの中で数々の名言を残していくのも見どころの一つである。
「自分の人生が楽しいと人に言いづらいのはなんでだ」「怒ってない女がモテる」など、綺麗事を取っ払いはっきりと言語化してくれるところが爽快だ。

アラサーを過ぎた女性たちが共感するのはもちろん、これからアラサーを生きる女性たちのバイブルに、女性の気持ちのわからない男性の指南書にと幅広い世代に読んで欲しい一冊だ。