透明人間(1933年の映画) / The Invisible Man(1933 film)

透明人間(1933年の映画) / The Invisible Man(1933 film)のレビュー・評価・感想

New Review
透明人間(1933年の映画) / The Invisible Man(1933 film)
8

戦前のSFホラー映画の最高峰に位置する名作『透明人間』

『透明人間』は1933年に公開された米国のSFホラー映画で、監督はジェイムズ・ ホエールです。
H・G・ウェルズが1897年に発表した小説『透明人間』を原作にしており、ユニバーサル映画が製作した本作への出演は、クロード・レインズ、グロリア・スチュアート、ウィリアム・ハリガンです。
この作品では全身に包帯を巻いて黒のサングラスをかけたジャック・グリフィン博士(レインズ)が取り上げられています。
グリフィン博士は秘密実験の結果、透明人間になってしまいアイピングの村に宿を借ります。
宿屋の女主人が彼が透明人間であることを発見するまでは、グリフィンは自分の部屋を出ずに、また彼を一人にしておいてくれるように宿屋の人間に求めます。
彼は恩師のクランリー博士(ヘンリー・トラヴァース)の実験室に戻ってきて自分の秘密をケンプ博士(ウィリアム・ハリガン)と元フィアンセのフローラ・クランリー(グロリア・スチュアート)に明かしました。
クランリーはグリフィンの発見が彼を狂気に導き、初めは害のない悪戯を、最終的には殺人を犯すことで他者に自分の優位性を証明するに至ったことを理解します。
『透明人間』の製作は1931年にはユニバーサルで始まっていました。
リチャード・L・シャイヤーとロバート・フローレイがウェルズの小説がユニバーサルのホラーヒット映画『ドラキュラ』の次回作になることを提案したからです。
しかし会社は『フランケンシュタイン』を製作する判断を同年にくだします。
このため、複数の脚本が書かれ、数人の監督候補(フローレイ、E・A・デュポン、シリル・ガードナー)が想定されました。
関わった脚本家にはジョン・L・ボルダーソン、プレストン・スタージェス、ギャレット・フォートがいます。
結局ホエイルが契約に署名をして、脚本家R・C・シェリフと共にロンドンで脚本を執筆しました。
本作的な製作は1933年の6月から8月まで、撮影が終わった後で特殊効果が施されました。