オンネリとアンネリのおうち

オンネリとアンネリのおうちのレビュー・評価・感想

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オンネリとアンネリのおうち
8

世界観が可愛すぎる!『オンネリとアンネリのおうち』

2018年公開の本作はフィンランドで長年愛されているマリヤッタ・クレンニエミの児童文学『オンネリとアンネリ』シリーズを実写映画化したもので全3作まであるうちの1作目です。
ある日、親友のアンネリとオンネリはバラ通りで「正直者にあげます」と書かれた手紙とお金が入った封筒を拾う。アンネリは離婚した両親の家を行き来しており、オンネリは9人兄弟で両親から相手にされていない。そんな2人はバラの木夫人という老婆から2人だけの家を買う。ここにはドレスやかわいい家具、甘いお菓子に小鳥のペットまで2人にぴったりのものがなんでも揃っている。ご近所には気難しいお隣さんや魔法が使える姉妹など個性豊かな住人と交流しながら夏休みを過ごす。ここまではただただ空想と現実の間のようなファンタジーでかわいい世界なのだが、実は子供ながらに複雑な家庭事情で育ち孤独な2人の「自立」というテーマがあり奥深く観ていて引き込まれる。子供というのはいつの時代も大人の事情に振り回される。だがアンネリとオンネリは両親を深く愛し両親の幸せを願っている。そして自分たちの幸せは自分たちで探し出し楽しんで生きる。そのためにお互いに協力しながら生活をしていく。ふんわりと幸福感がありながらもたくましく生きていく2人の物語は大人が見ても感心し、『幸せ』とは何かを考えさせてくれるはずです。是非この世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。