イノサン Rouge

イノサン Rougeのレビュー・評価・感想

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イノサン Rouge
7

実在した処刑人と妹がモデルの華麗で残酷な物語

フランス革命期に実在した処刑人サンソンと、その妹マリーが主人公の物語です。サンソンが主人公の『イノサン』の続編で、処刑人となったマリーとともに革命の中を生き抜いていく姿が描かれます。
絵はとんでもなく綺麗かつ華麗でありながら、グロ表現満載で、そうした表現が苦手な方にはオススメできません。
史実によるとサンソンは処刑が嫌だったそうですが、この漫画で描かれるサンソンも、そうした性格を踏襲しています。妹マリーは実在したようですが、キャラ造形は作者オリジナルで、ズバリ「男装の処刑人」として登場します。
『ベルサイユのばら』といい、フランス革命が舞台の漫画は「男装の麗人」と相性が良いんでしょうか。本作でもルイ16世とアントワネットが登場しますが、『ベルサイユのばら』の漫画やアニメ・絵画でお馴染みの容姿と違うので、初見はビックリするかも知れません。
ちょっと嬉しかったのは、「暗殺の天使」と呼ばれたシャルロット・コルデーを登場させてくれたことです。当然ながら、史実通りの最期を迎えてしまいます。
最後の方は駆け足気味になってしまいましたが、ラストはキッチリ締めてくれました。グロ表現は大丈夫という方には、オススメの歴史大作です。流麗な絵を堪能してみてください。