ブリキの太鼓 / Die Blechtrommel

ブリキの太鼓 / Die Blechtrommelのレビュー・評価・感想

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ブリキの太鼓 / Die Blechtrommel
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ギュンター・グラスによる同名の怪作小説を律儀に映画化した、フォルカー・シュレンドルフ監督の怪作『ブリキの太鼓』

『ブリキの太鼓』はギュンター・グラスによる同名の小説を映画化した作品(1979年)です。
監督および共同脚本はフォルカー・シュレンドルフ。大半の撮影が西ドイツで行われました。
本作は1979年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞し、また1980年のアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞しています。
オスカル・マツェラートは生まれ落ちたときには大人並みの知性を身につけており、また自分の身体的な成長を意思力で制御する能力を持っていました。
映画では、1899年にジャガイモ畑で祖母が妊娠してから1924年にオスカルが誕生するまでが先ず描かれます。
オスカルは3歳になったときに成長を止めます。そのとき、父親アルフレートはブリキの太鼓を彼に買い与えます。
オスカルの母アグネスは突然に成長を止めたオスカルのこを思い悩み、父アルフレートを責め、このために夫婦の間には隙間風が吹くようになりました。
オスカルは声帯から超音波を発する能力を身につけて、ガラスを割ったり、さまざまな問題を起こしていくようになります。
本作では、オスカルの眼を通して、ナチ党政権前後のポーランドのダンツィヒ自由都市における戦前・戦中・戦後が描かれています。
本作は「ガルガンチュア的な原作小説を真摯に映画化しようと試みた作品である」との評価が『ニューヨークタイムズ』紙の映画批評に掲載されました。