ベルリン・アレクサンダー広場

ベルリン・アレクサンダー広場のレビュー・評価・感想

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ベルリン・アレクサンダー広場
8

鬼才映画監督ファスビンダーが仕上げた絢爛たる映像詩『ベルリン・アレクサンダー広場』

『ベルリン・アレクサンダー広場』は1980年に西ドイツで放映された、全14部構成の犯罪ミニシリースのテレビ映画です。
1920年代のベルリンを舞台にして、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが監督しました。
原作はアルフレート・デブリーンが1929年に発表した同名の小説です。
出演はギュンター・ランプレヒト、ハナ・シギュラ、バーバラ・スコワ、エリザベス・トリセナー、ゴットフリート・ジョン。
シリーズ全体で15時間に及ぶ大作です。1983年には本作が米国でTeleCultureによって劇場版として公開されました。
2話か3話が部分的に一晩づつ公開されています。
カルト的なファン層が誕生し、VHS版が公開され、さらにPBSでテレビ放映されています。
1985年には英国のチャンネル4で放映されました。
『ベルリン・アレクサンダー広場』は西ドイツ放送、バヴァリア映画社、イタリアのRAIネットワークの共同製作で、製作作業にはバヴァリア映画社でほぼ1年を費やしました。
ファスビンダーはテレビ版完成後に劇場で上映するための「パラレル」映画も製作することを夢想していました。
彼が思い描いたキャストにはジェラルド・デパルデューをフランツに、イザベル・アジャーニをミーツェに模しています。
本作は多くの著名な映画作家批評家に衝撃を与えています。
スーザン・ソンタグは1983年9月の『ヴァニティフェア』誌に賞賛の記事を寄せています。
映画監督のマイケル・マンやフランシス・フォード・コッポラは本作からの影響を自らの作品に「引用」しています。