女王陛下の007

女王陛下の007のレビュー・評価・感想

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女王陛下の007
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小説家イアン・フレミングの原作を忠実に映像化したことで評価の高い『女王陛下の007』

『女王陛下の007』は1969年に公開されたスパイ映画で、イーオンプロダクションによって製作されたジェイムズ・ボンドのシリーズ第6作目です。本作はイアン・フレミングが発表した小説を原作にしています。ショーン・コネリーがジェームズ・ボンド役を降板する決断をした後で、イーオンプロダクションは主役出演歴のないジョージ・レーゼンビーをジェームズ・ボンド役に起用しました。本作の製作中に、レーゼンビーはボンドを1回のみしか演じないことを明らかにしています。
この映画では、ボンドはブロフェルド(テリー・サバラス)と対決します。ブロフェルドは洗脳された「死の天使」の集団の行為を通してすべての食料となる植物を不毛にすることで世界に脅威を与える計画を抱いています。ボンドは、公爵夫人テレサ・ディ・ヴィセンゾ(ダイアナ・リグ)と恋に落ちてとうとう結婚をしてしまいます。
ピーター・R・ハントが監督した唯一のボンド作品で、シリーズの以前の作品ではフィルム編集者と第2班の監督を務めていました。ハントは製作者のアルバート・R・ブロッコリとハリー・ザルツマンと共に原作に忠実なよりリアルな映画を製作するという決断をしました。撮影は1968年10月から1969年5月にかけてスイス、英国、ポルトガルで行われました。本作の公開は前作のように派手な宣伝を伴いませんでしたが、『女王陛下の007』はその年のトップ作の一作に輝きました。公開時の批評家の反応はさまざまでしたが、評判は時間が経つにつれて好ましいものになり、現在ではシリーズで最良の一作として位置づけられています。イアン・フレミングの小説を忠実になぞった作品の一つとして考えられることも多いようです。