華氏911

華氏911のレビュー・評価・感想

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華氏911
8

ドキュメンタリーの鬼才マイケル・ムーアが2003年のイラク戦争開戦の内幕暴露を試みた『華氏911』

『華氏911』は2004年に製作された米国のドキュメンタリー映画で、監督・脚本・配役を映画製作者で監督であり政治評論家のマイケル・ムーアが務めました。本作はジョージ・W・ブッシュの大統領期間、イラク戦争、メディアでの戦争報道を批判的に検証しています。この映画ではムーアの主張によれば、米国の企業メディアは2003年のイラク侵攻のための「チアリーダー」であり、戦争とその結果として生じる死傷者数についての正確であるか客観的な分析を行わなかったのです。
映画のタイトルはレイ・ブラッドベリの1953年の小説『華氏451』を暗示しています。この小説は将来の米国についてのディストピア的なイメージを描いています。映画の方は紙が自然発火する温度と9月11日の同時テロの間に類似性を指摘しています。すなわち、映画の宣伝文句は「自由は燃え上がる温度」だったのです。
本作は2004年のカンヌ映画祭に出品されて、総じて肯定的な評価を批評家たちから受け取りましたが、強烈な論争も引き起こし、例えば正確性が問題にされました。この映画は映画祭の最高の賞であるパルムドールを獲得しました。映画の続編『華氏11/9』が2018年9月に公開されました。