東京上空三十秒

東京上空三十秒のレビュー・評価・感想

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東京上空三十秒
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太平洋戦争中に戦意高揚映画として製作された『東京上空三十秒』

『東京上空三十秒』は1944年に公開されたアメリカの戦争映画で、製作はメトロ・ゴールドウィン・メイヤーです。
脚本はダルトン・トランボで、テッド・ローソン中尉が1943年に発表した同名の書籍を原作にしています。
ローソンは、日本軍による真珠湾空襲(1941年12月7日)の4か月後に日本に対して行われた米軍の最初の報復的な空襲である、歴史的なドーリットル空襲のパイロットの一人です。
空襲の計画、指揮は米陸軍航空軍ジェームズ・H・ドーリットル中佐で、中佐の名前に因んで「ドーリットル空襲」と呼ばれています。
ドーリットルは空襲成功後に准将に2階級特進しました。
サム・ジンバリストが映画の製作者で、監督はマーヴィン・ルロイ。
主演はヴァン・ジョンソンで、ローソンを演じ、その妻エレンを演じるのがフィリス・サクスターです。
ロバート・ウォーカーがデビッド・ダッチャー伍長、ロバート・ミッチャムがボブ・クレバー少尉、スペンサー・トレイシーはジェームズ・H・ドーリットル中佐です。
トレイシーの出演はゲストスター的な扱いで、通常のギャラよりも破格のギャラを受け取りながら、出演場面はヴァン・ジョンソンよりも少ないのです。
ローソンは1942年4月18日の任務飛行にむけての激しい訓練、任務の実施、その後を証言者として作品の中で語っています。
ローソンは空母USSホーネットから発進した16機のB25のうちの7機目「The Ruptured Duck」の操縦士を務めており、映画では空襲を正確に再現し、また戦時中の爆撃機の実写が使われています。