戦略空軍命令

戦略空軍命令のレビュー・評価・感想

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戦略空軍命令
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米国核抑止力の一翼を担っていた「戦略空軍」の勇姿を広く伝えた名作!

『戦略空軍命令』は1955年に公開された米国の軍事航空映画で、出演はジェームズ・ステュアート、ジューン・アリスン、監督はアンソニー・マン、公開はパラマウント映画社です。本作は冷戦時代の戦略空軍を描いた4本のハリウッド映画の第1作です。
『戦略空軍命令』はパラマウントの新しいワイド画面仕様のヴィスタヴィジョンで公開された第2作目の映画です。この映画はテクニカラーで着彩され、ペースペクトラ擬似ステレオ音響で録音されています。本作はステュアートとマンの8作目で最後のコラボ作品で、『ストラットン物語』と『グレン・ミラー物語』で共演したジェームズ・ステュアートとジューン・アリスンが出演する3作品のうちの最後の作品です。
ネブラスカ州オマハのストルツマンションはこの映画を祝福する団体が集い合う場所です。本作の先行公開はオフォット空軍基地と戦略空軍の本部のあるオマハで行われました。先行公開を祝う集会はこのマンションで行われ、貴賓にはステュアート、アリスン、戦略空軍司令官のカーチス・ルメイ将軍がいました。
新しいヴィスタヴィジョン処理で撮影された本作は1955年に6番目の収益をあげた映画です。批評家はステュアートの演技に「能力のある」、「魅惑的」とか「競争力がある」などと称賛の言葉を投げかけ、観客は主に空撮の場面に圧倒されました。この映画の真の主役は爆撃機のB36やB47であったと論じられています。本作の公開により、空軍への志願が約25パーセントも増加したとも言われています。戦略空軍(SAC)は同航空軍の任務を支持するさらに2つの軍事航空映画である『Bombers B-52』(1957年)と『A Gathering of Eagles』(1963年)にも協力しました。映画で使用されたB47爆撃機の操縦席はカリフォルニア州マーチ空軍予備基地(以前のマーチ空軍基地)のマーチフィールド航空博物館に展示されています。