スパルタカス(映画)

スパルタカス(映画)のレビュー・評価・感想

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スパルタカス(映画)
8

古代ローマの奴隷叛乱を鬼才キューブリックが歴史劇映画化した!

『スパルタカス』は1960年に公開された米国の叙事的歴史劇映画で、監督はスタンリー・キューブリック、脚本はドルトン・トランボ、原作は1951年に発表されたホワード・ファストの同名の小説です。本作は古代の奴隷叛乱の指導者スパルタカスの生涯と第3次奴隷戦争に創作の霊感を得ており、スパルカスにカーク・ダグラス、ローマの将軍にローレンス・オリヴィエ、奴隷商レンタルス・バティタスにピーター・ユスティノフ、皇帝カエサルにジョン・ギャヴィン、ヴァリニアにジャン・シモンズ、セププロニウス・グラックスにチャールス・ロートン、アントニウスにトニー・カーティスを配しています。
ダグラスと彼の経営するブリニャプロダクションが映画の製作にあたり、本来の監督アンソニー・マンを撮影開始後1週間で解任しています。ダグラスはその後、以前に一緒に仕事をしたことのあるキューブリックを監督の座に据えました。キューブリックの監督作の中では本作は彼が作品の芸術的な側面を十分に把握し得なかった唯一の映画です。脚本家ドルトン・トランボは当時「ハリウッドテン」のブラックリストに名前が載っていましたが、ダグラスはトランボが『スパルタカス』の脚本家を務めると公言し、また大統領ジョン・F・ケネディはこの作品を鑑賞するために米在郷軍人会の制止線を越えました。原作者ホワード・ファストの書もブラックリスト掲載であり、ファストは原作を自費出版せざるを得ませんでした。