危険なメソッド

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危険なメソッド
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深層心理学の開祖フロイト、ユング、シュピールラインの不毛な愛の三角関係をスタリッシュに描いた『危険なメソッド』

『危険なメソッド』は2011年の歴史映画で、監督はデヴィッド・クローネンバーグ、出演はキーラ・ナイトレイ、ヴィゴ・モーテンセン、マイケル・ファスベンダー、ヴィンセント・カッセルです。脚本はクリストファー・ハンプトンが2002年の舞台『The Talking Cure』を基にしています。2002年の舞台作品は1993年発表のジョン・カーによるノンフィクション『A Most Dangerous Method: The story of Jung, Freud, and Sabina Spielrein』に霊感を得ています。
第一次大戦前夜に設定されている『危険なメソッド』は分析心理学の始祖、カール・ユングと精神分析学という学問の始祖、ジークムント・フロイト、初めはユングの患者であり、後に女性で最初の精神分析家の一人になる医師ザビーナ・シュピールラインの間の波乱含みの関係を描いています。
英国、カナダ、ドイツの製作会社の共同製作であり、本作はクローネンバークとヴィゴ・モーテンセンの間のコラボの3作目にあたります。また、クローネンバーグの作品としては、英国の映画製作者ジェレミー・トーマスとの合作の3作面でもあり、それまでクローネンバーグは彼とともにウィリアム・バロウズの『裸のランチ』やJ.G.バラードの『クラッシュ』の映画化を手がけてきています。撮影は2010年の5月から7月までケルンのセットで行われ、屋外の場面はウィーンでロケされました。
映画は全世界で2400万ドルの興行収入をあげて、批評家たちから好意的な評価を受けました。多くの批評家は俳優たちの演技とクローネンバーグの監督手腕を賞賛しています。