マルコムX

マルコムXのレビュー・評価・感想

マルコムX
8

1965年に暗殺された黒人活動家マルコムXの生涯を丁寧に描いた大作伝記映画『マルコムX』

『マルコムX』は1992年公開の米国の伝記劇映画で、アフリカ系米国人の活動家マルコムXの生涯を題材にしています。監督と共同脚本はスパイク・リー、主演はデンゼル・ワシントン、共演者はアンジェラ・バシェット、アルバート・ホール、アル・フリーマンJr、デルロイ・リンドです。リーは脇役でも出演していて、またブラックパンサー党の共同創立者ボビー・シール、アル・シャープトン師、南アの大統領就任直前のネルソン・マンデラがカメオ出演しています。本作は、ワシントンとリーの映画コラボ4作品のうちの2作目にあたります。映画では、マルコムXの生涯の主要なできごとに光をあてて紹介していきます。犯罪者としての経歴、投獄、イスラム教への改宗、ネイションオブイスラムの一員としての聖職、組織からの脱落、ベティXとの結婚、メッカへの巡礼、白人蔑視の反省、そして1965年2月21日の暗殺。父親の死、母の心の病、人種主義の経験などの子ども時代の決定的なできごとがフラッシュバックとして作品の中で構成されています。『マルコムX』の脚本はアレックス・ヘイリーの1965年の著作『マルコムX自伝』に大幅に依拠しています。ヘイリーはマルコムXとのコラボで1963年に『自伝』の著述に手をつけて、マルコムXの死後に完成させました。