石嶺聡子

石嶺聡子のレビュー・評価・感想

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石嶺聡子
10

歌唱力抜群の沖縄出身の歌姫

石嶺聡子は沖縄出身のミュージシャンです。ただ、いわゆる島唄、即ち沖縄民謡を歌う歌手ではなく父親が好きだった米国のブラックミュージックなどを聴いて育ったアーティストです。彼女が聴いた楽曲のメインはダイアナ・ロスで、彼女はその影響を強く受けました。
石嶺聡子の魅力はその伸びやかなヴォイスにあります。もう一つは、英米のポップスのカバーアルバムもあることからわかるように、洋楽を綺麗な発音とその雰囲気をよく理解して歌っているところです。
洋楽は日本の歌手が歌う場合には、ただ歌うだけでは本場の雰囲気が出ません。その詞の世界、背景の文化を十分に理解して表現に活かさなければ、センスがないねの一言で終わってしまいます。そんな歌い方では聴く人の心には響きません。
石嶺聡子の初期の名曲「涙はいらない」や「くもりのち晴れ」などはそれまでのポップスとは違うタイプの楽曲という感じがします。いわゆる歌謡曲の匂いというもの、即ち和メロの雰囲気から解き放たれています。その後も彼女はこの方向性を推し進めていきました。
そのなかの1曲、”Liberty Girl”などは、石嶺聡子が洋楽のセンスを巧みに活かしているのがよくわかります。この曲はある人気番組に使われましたが、まさしく雰囲気にピッタリでした。彼女は、ある時期以降自作自演の方向へと舵を切り、聴く人の心をグッと鷲掴みするような歌を歌っています。
今後ともその活躍から目が離せませんね!