タロウのバカ

タロウのバカのレビュー・評価・感想

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タロウのバカ
8

映画『タロウのバカ』について

とても考えさせられる作品である。見る人によっては不快感がかなりあると思う。
本物の障害者などが出てきて、前半にひどい環境で障害者や老人が施設で暮らしているシーンなどがあり、そこで事件などが起きるので気分がいいものではない。「日本に本当に今このような環境の施設があるのだろうか?」と思ってしまう。
とにかく主要な登場人物が心に闇を抱えている。その理由は様々だか、「普通に考えて親は何をしているのだろう?」と思ってしまう。
特に菅田将暉の演じるエージは今まで目標に向かっていたのに挫折し、兄を含めた柔道部員からひどい扱いをうけている。その姿を見て、「なぜ親は黙っているのだろう」と思ってしまう。エージが非行に走ってしまったからなのか、その辺の描写はあまりないので疑問は尽きない。
タロウに関しても学校に行ったことがないというが、どう見てもまだ子供。その子供が毎日街中をあんなボロボロの格好でウロウロしていたら、周りの大人達は何もしないというのが不思議でたまらない。
終わり方もなんとも言えないモヤモヤしてしまう終わり方で、見る人によっては本当に見るんじゃなかったと思うような映画であると思う。
私はこういったジャンルの映画が好きなのでおもしろく感じた。
ただ、楽しみに新築を建てていたのに、建築中にあんなに勝手に出入りされて最後に事件を起こされたら、家主にすれば本当にたまったものでないなというのが最後の最後まで自分の中では引っかかった。

タロウのバカ
5

思った以上にバイオレンスだった。

なんか、こういうことって実際にあるのかもしれないし、彼らがそうなった背景に社会があるし、そこの問題意識もある作品なんだろうけど、ともかく胸糞でした。ちょっとバイオレンスがすぎるし、大体なんで捕まらないのっていう気もして、あまりリアルな世界ではないのかなって感じです。でも、若い子たちってきっと仲間内だけの世界があって、全然視野が狭かったりするからこういうことは起こりうるのかなと思ったりもします。スギオは二人に感化されて狂ってしまったようなところがあり、なんだかかわいそうでした。彼が友達から離れなきゃっと思ってもそれがなかなかできない感じがわかりみでよかったです。まタロウもすごくつらい人生を生きてきて、そのせいで…ってところが多々あるのでしょう。なんで、あんなに無視されるのか、私でも気が狂いそうです。そうはいっても暴力が過ぎました。それに救いもない終わりだったし、びっくりです。なんだか怖い映画だったけど、子どもの小さな世界を表していてハマる人にはハマるのではないでしょうか。菅田将暉や仲野太賀も出ていて、キャストも結構すごかったです。バイオレンス表現が大丈夫なら一度は見て損はないと思います。