冬のライオン(映画)

冬のライオン(映画)のレビュー・評価・感想

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冬のライオン(映画)
8

舞台劇を母胎にしながら商業的に娯楽作として成功した名作『冬のライオン』

『冬のライオン』は1968年に公開された米英合作の歴史映画で、西暦1183年のクリスマス前後を舞台としています。
イングランド王のヘンリーII世、妻エレノア、子供たち、客人たちが繰り広げる政治的かつ個人的な苦悩を劇化したものです。
映画を監督したのはアンソニー・ハーヴェイ、脚本はジェームズ・ゴールドマン(同名の戯曲に基づいています)、
製作はジョーゼフ・E・レヴィーン、ジェイン・C・ナスバウム、マーティン・ポール、
出演はピーター・オトゥール、キャサリン・ヘプバーン、ジョン・キャッスル、アンソニー・ホプキンス、ティモシー・ダルトン(映画でのデビュー作)、ジェーン・メロウ、ナイジェル・ストック。
映画は商業的な成功をおさめ、3つのアカデミー賞を獲得しています。
ヘプバーンは最優秀女優賞を獲得しました。
この歴史映画は2003年にテレビ版としてリメイクされています。
中世イングランドの王侯を主人公にした設定からシリアス劇を連想させますが、そういった敷居の高さを感じさせず、プロットの巧さとアクション場面の多さから普通の映画ファンでも楽しめる作品に仕上がっています。
それでも、俳優たちの個性の強烈さも印象に残り、中でも主演のピーター・オトゥールとキャサリン・ヘプバーンの演技力は卓越しています。
映画製作時点では新人の部類に属した監督のアンソニー・ハーヴェイもあくの強い演技陣を見事に使いこなして抜きん出た質の仕事を成し遂げました。