弱虫ペダル(映画)

弱虫ペダル(映画)の関連記事

弱虫ペダル(映画)のレビュー・評価・感想

New Review
弱虫ペダル(映画)
10

実写映画化の最高傑作

『弱虫ペダル』の原作を読んでいた者です。今まで実写映画化などに反対していました。キャラクターの髪色が変わったり、ストーリーが全く異なるものになってしまい、原作の良さが消えているものばかりだったからです。しかし、この『弱虫ペダル』は他のと少し違いました。出演者の方々が本当に真剣に自転車と向き合っていることが伝わりました。初めは、髪色が違かったりキャラクターとイメージが違うためふざけんなと思っていましたが…。CGを使っていないことに驚くくらいの坂を登っていました。主演の永瀬廉さんはジャニーズで今まで知らなかったですが、あんなに細い体でよくもたくましく自転車を漕げるなと思いました。出演者さんたちの気合いが伝わってきました。物語的にあそこで完結してしまいそうな気がしますが、是非とも続編をやってもらいたい。今まで漫画をジャニーズ主演の踏み台にするなと思っていましたが、ナイスキャスティングだと思います。公式Twitterで永瀬廉さんが日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したと聞きました。お祝いしている公式さんのTwitterを見ても雰囲気の良さが伝わってきましたし、とても良い作品でした。DVDが発売されるそうですが、もう一度みようと思います。

弱虫ペダル(映画)
7

自分を信じ、仲間を信じ、また皆と一緒に楽しく駆けたい“坂道”

TVアニメ、舞台、TVドラマ、ゲーム他、様々な形でメディア展開されている人気コミックが、当然の如く実写映画化。
これまたいつもの如く、作品は知っていたが、作品そのものを見るのはこれが初めまして。
人気作品故、公開時…いや、公開前からファンから厳しい声。特にキャスティングに関して。
主人公の坂道は原作ではもっとパッとしない風貌なのに、キンプリ永瀬じゃイケメン過ぎる。
マネージャーの幹は原作ではそれほどメイン人物じゃないらしいが、ハシカンの為に主役級の登場人物に。
誰だ、エースの今泉に不祥事を起こした某俳優を起用したのは!?…ってのは冗談として、…などなどなど。
どんなものかと見てみたら、これが思いの外良かった。
王道スポ根青春ストーリー。このジャンルが好きな人にはドストレート!

ここでちょっと話反れるが…原作ファンからはボロクソ言われているのは知っている。でも自分は原作を読んでいないので先入観ナシに見れた。
だけど先日見た『STAND BY ME ドラえもん2』はどうしても昔から馴染みあるからあれこれあれこれ目くじら立ててしまうが、そうでない人はすんなり感動。
こればっかりはしょうがない。
とりあえずそれは置いといて、感想を。

総北高校1年生の坂道。
友達が居ないアニヲタくん。好きなアニメのグッズを買う為なら、地元の千葉から秋葉原までママチャリで移動。その距離、実に往復80キロ以上!
だから、そんな坂道にとって学校までの坂道もそれほど苦じゃない。
そしたら、自転車競技部のエースの今泉に勝負を挑まれた。
そしたらそしたら何と!五分の結果に!
普段やっていた事が、思わぬ才能を発揮させた。
元々アニメ研究部に入りたかった坂道。が、休部。悩みに悩んだ末、入部する事に…。

話も分かり易い。
原作コミックは今も連載中らしいが、エピソードを詰め込み過ぎず、“入門編”。
まず、序盤の見せ場である坂道と今泉の勝負。そして入部。

中盤は新入部員の実力テスト。
坂道、今泉、もう一人実力ある鳴子らが実際にロードレースを行う。
実力も知識も経験もある今泉や鳴子らに対し、それらが全く無い坂道。
それでも必死に食らい付く。
たった一つの思いの為だけに。
皆と一緒に走りたいから。
まだ中盤だというのに、クライマックスのような興奮と感動。

主人公の坂道だけじゃなく、今泉、鳴子、その他部の先輩らのドラマも描く。
てっきり個人戦と思っていた。
違った。
ロードレースは団体戦。
仲間との絆ナシに走れない。
インターハイ予選へ。
ライバル校は強豪。ピンチに…。
が、その時…。
友情、役割、信じる、走る楽しさ…。
もう一度言うけど、王道ですよ、王道。気持ちいいくらいの。

フレッシュな若手たちの熱演…いや、汗演。
練習を積み、実際に過酷な撮影に挑んだ彼らと、過酷なレースに挑んだ劇中の彼らがぴったり重なった。
キンプリ永瀬が好演。
ジャニーズ×ハシカンで余計な恋愛要素入れるのかと思ったら、一切ナシで青春スポーツ・ストーリー一本だった点に超好感!
そして何より、疾走感あるレース・シーン!
ロードレースの事について何も知らない。
バイクについても何一つ知らない。
なのに、レース・シーンは手に汗握った。
一緒にロードバイクに乗って走ってるようだ。
風を感じてるようだ。
本当に心地よい。
公開は昨夏。コロナで沈んだ観客の心にどれほど爽やかな青春の風が吹いた事か。

まあ確かに、予定調和。ベタ。ご都合主義。
登場人物たちもステレオタイプ。
この手の青春スポ根ムービーはどれほど量産されてきたか。
叩けばキリがない。

でも、私にとっては初めて駆けた“坂道”。
自分を信じ、仲間を信じ、また皆と一緒に楽しく走りたい。