トコリの橋

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トコリの橋
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朝鮮戦争時の米海軍艦載機搭乗員の生と死をドラマチックに描いた『トコリの橋』

『トコリの橋』は1954年公開に朝鮮戦争に関する米国映画で、出演はウィリアム・ホールデン、グレース・ケリー、フレデリック・マーチ、ミッキー・ルーニー、ロバート・ストラウス。この作品の監督はマーク・ロブソンが務め、製作はパラマウント映画。デニス・ウィーバーとアール・ホフマンが出演した作品としても知られています。
脚本は1953年にピュリッアー賞を受賞した『トコリ』(ジェイムス・ミチェナー)を原作にしていて、原作を丁寧になぞった映画のストーリーは、朝鮮半島北部の対空砲火に守られた橋梁群を爆撃する任務を帯びた米国海軍パイロットたちを描いています。とりわけ朝鮮戦争の文脈でのパイロットとクルーの生と死が強調されています。当時、朝鮮戦争は戦地で戦った者たち以外には受け入れがたい縁遠い戦争だったからです。
米国海軍中尉ハリー・ブルーベイカーは海軍予備役将校で航空士でしたが、朝鮮戦争で戦闘爆撃機を飛ばすために平時の民間の職業(弁護士)から現役に復帰しました。乗機を破損させて任務から帰還した際に空母に着艦できず不時着水してシコルスキーHO3S-1ヘリコプターのマイク・フォーニーに救助されました。フォーニーは不時着水したパイロットを励ますために軍規違反の緑色のスカーフを身にまとっていることでしばしばトラブルを引き起こします。