シン・レッド・ライン

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シン・レッド・ライン
9

太平洋戦争最大の激戦地ガダルカナル島の米歩兵たちの群像を詩的に表現した映画『シン・レッド・ライン』

『シン・レッド・ライン』は1998年公開の米国の戦争劇映画で、脚本と監督はテレンス・マリックです。1962年に発表されたジェームズ・ジョーンズの同名小説の第2回目の映画化です(第1回目の映画化は1964年)が、リメイクではありません。第二次大戦時、太平洋戦線のガダルカナル戦の一部を成すオースティン山の戦闘の一部を脚色しながら、第25歩兵師団第27歩兵連隊第1大隊C中隊所属の兵士たちの群像を描いています。演じるのは、ショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル、ニック・ノルティ、エリアス・コテアス、ベン・チャップリンといった個性派揃い。小説の題名はライヤード・キプリングの詩「トミー」(バラクルームバラードより)からの採録を暗示しています。「トミー」では、キプリングは英国の歩兵のことを「赤い細い線の英雄たち」と呼んでいます。モデルになったのはクリミア戦争のバラクラバの戦闘における第93連隊の戦列でした。
本作でマリックは映画製作に20年ぶりで復帰しました。第1バージョンのフィルムは編集に7か月もかかって5時間ものに切り詰められました(それでも5時間!)。最後のカットではビル・プルマン、ルカス・ハース、ミッキー・ルークの演技シーンは削除されてしまいました(クライテリオンのブルーレイ、DVDリリースの際に、ルークの場面は特編映像に復活しています)。映画音楽の作曲はハンス・ジマー、撮影はジョン・トール。