沈黙の戦艦

沈黙の戦艦のレビュー・評価・感想

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沈黙の戦艦
8

ハイテク戦艦を乗っ取り、搭載されている核兵器を盗み出そうとするテロ集団と特殊部隊の過去を持つ1人のコックとの戦い

一人の有能な戦闘員がいれば、その力は100人の特殊部隊にも匹敵する。そんなことを思わせる映画である。
舞台は太平洋を航行する巨大な密室と化したハイテク戦艦ミズーリの艦内。戦うのは元軍の通信技術者のテロリストと特殊部隊の輝かしい過去を持つ一人のコック。この映画を見ていてハイテク戦艦の内部というものはそれだけで迷路であり、一つの世界であり、社会であることがよくわかる。軍で使う知識は方位学、地理、通信、火器銃器爆薬、戦闘術、物資輸送、食料など多岐にわたる。生活に必要なすべてが含まれているといっても過言ではない。それを使い敵と戦い、敵を殲滅していく。
実際、衣服や食料、ジッポライター、ナイフ、コンパス、赤外線カメラなどハイテク機器始め軍用品で生活に応用されているものは多い。衣服などもちゃんと天候を考えた作りになっているし、チューインガムなども徹夜で飛行する空軍の兵士の眠気を防ぐのに配給されたものである。そういう知識と経験に裏打ちされたライバックが仲間の協力を得ながらテロリスト集団に立ち向かっていく。衛星通信システムを設置してペンタゴンと通信し、報告、指示を聞き、C-4爆薬をセットして敵を吹っ飛ばす。これ以降続く沈黙シリーズの1作目として見事な映画だった。