惑星ソラリス

惑星ソラリスのレビュー・評価・感想

惑星ソラリス
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名匠アンドレイ・タルコフスキー監督が手がけた普及のSF映画『惑星ソラリス』

『惑星ソラリス』は1972年に公開されたソ連のSF映画で、スタニスワフ・レムの同名の小説(1961年に発表)を原作にするSF映画です。映画の共同脚本と監督はアンドレイ・タルコフスキーで、出演はドナタス・バニオニスとナターリャ・ボンダルチュクです。電子音楽はエデュアード・アルトメイエフが演奏しており、J・S・バッハの曲も使われています。
本作の筋書きは、架空の惑星ソラリスの軌道を周回する宇宙ステーションを舞台としています。宇宙ステーションでの科学任務が一時中断してしまいました。それは3人の科学者が心理的な危機に陥ったからです。心理学者クリス・ケルヴィン(バニオニス)は状況を精査するためにステーションに乗り込んで、3人の科学者と同じ神秘的な現象に遭遇します。映画ではタルコフスキーがSF映画に新しい感情的な深みを盛り込もうと試みています。タルコフスキーはほとんどの西側の作品はテクノロジーの側面に集中しているために浅薄であると考えていました。
本作は1972年度のカンヌ映画祭の特別グランプリを獲得し、パルムドール賞にもノミネートされました。批評家からは総じて良好な評価を得ています。この映画は、映画史上で最も偉大なSF映画の一作であると言及されることがしばしばです。タルコフスキーが本作中で明らかにしたモティーフは次回作『ストーカー』(1979年)で発展させられます。

惑星ソラリス
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SF映画史に名前を連ねる不朽の名作『惑星ソラリス』

『惑星ソラリス』は1972年公開のソビエトのSF映画で、原作はスタニスワフ・レムが1961年に発表した小説『ソラリスの陽のもとに』です。この映画の共同脚本・監督はアンドレイ・タルコフスキー、出演はドナタス・バニオニス、ナターリヤ・ボンダルチュク。電子音楽の演奏はエドゥアルド・アルテミエフ、またJ・S・バッハの曲も使われています。映画のストーリーは架空の惑星ソラリスを周回する宇宙ステーションで展開します。宇宙ステーションでは3人のクルーが精神に危機をきたしたために科学任務が中断してしまいます。心理学者クリス・ケルヴィン(バニオニス)が状況を明らかにするために宇宙ステーションに派遣されますが、他の者たちと同様の不可思議な現象に遭遇するだけです…この映画はSF映画に感情描写の深みをもたらそうとしたタルコフスキーの試みです。タルコフスキーは西側のSF作品は技術的な革新に焦点を絞っているために浅薄であると考えていました。『惑星ソラリス』は1972年のカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞し、パルムドールにもノミネートされました。批評家による評価は好意的で、映画史上最高のSF映画の一つとして紹介されています。この映画でタルコフスキーが表そうとしたモチーフは『ストーカー』(1979年)でさらに掘り下げられることになります。