ギャングース(映画)

ギャングース(映画)のレビュー・評価・感想

ギャングース(映画)
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触法青少年を描いた映画

未成年の犯罪や困難な成育歴について取材しているルポライターの鈴木大介さんが原作を書いていた漫画の『ギャングース』の映画版です。監督は『22年目の告白』などの入江悠さんがしました。
主人公の三人は貧困家庭で育ち、少年院で知り合いますが、出所後に資格や住所も無いので、働くところが見つかりにくく、3人でオレオレ詐欺などの事務所に忍び込んで、金庫ごと持ち去ることを続けています。3人とも親からの虐待などで、様々な軽度の障害が残っているので、ある程度何らかの行政のサポートが受けられるのかもしれませんが、そのような事を知らないようです。しかしながら同じ少年院にいた半グレにこれまでに奪った金銭を横取りされたので、オレオレ詐欺の金主のお金を強奪することを計画します。
オレオレ詐欺のメンバーも、経済的に困窮した若者がほとんどで、親族の為なら数百万から数千万円を直ぐに払える高齢者を騙すことに、それほど罪悪感は感じていません。さらに、詐欺グループは様々な手段で分業化されているので、末端が捕まってもそこから上の事は全く知らないため、警察でもなかなか捕まえることが困難なのでした。
3人は金主に様々な被害を受けた経験のある、現場労働や繁華街の末端の人に手伝ってもらいながら、計画を進めるのでした。
原作者の鈴木大介さんの書いた小説の『里奈の物語』がコミック化され文春オンラインでの連載が始まっています。