女を修理する男

女を修理する男のレビュー・評価・感想

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女を修理する男
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第2次コンゴ内戦後に戦火に傷ついた女性たちを心身ともに癒し続ける医師ムクウェゲの日常を静かに描いた映画『女を修理する男』

『女を修理する男』は、コレット・ブラックマンの著作をもとに制作され、2005年4月に公開されたティエリー・ミシェル監督によるドキュメンタリー映画で、ブラックマンとミシェルは共同脚本に名を連ねています。副題は「ヒポクラテスの怒り」といった意味です。このドキュメンタリーは、2014年のサハロフ賞を受賞したコンゴ人の婦人科医で人権擁護者で、コンゴ民主共和国ブカヴのパンジル病院で強姦被害者の女性に修復手術を施術している、デニス・ムクウェゲ博士の足跡を追ったものです。映画のタイトルは、コレット・ブラックマンが2013年2月に出版した著書『医師ムクウェゲ: 女を修理する男』を踏まえたものです。
デニス・ムクウェジ博士の活動はこれ以前にも既に、セネガルのドキュメンタリー映画監督アンジェレ・ディアバングによる2014年の映画でも取り上げられていました。2015年9月、『女を修理する男』は「コンゴ軍に危害を与え、そのイメージを傷つけようとする明白な意図 」を理由として、コンゴ民主共和国における上映が差し止められ、政府のスポークスマンであるメディア・コミュニケーション大臣は、この映画の監督がスワヒリ語やシ語の翻訳の一部で悪意ある誤訳をしていると非難しました。