彼らは生きていた

彼らは生きていたのレビュー・評価・感想

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彼らは生きていた
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第一次世界大戦の実戦経験を100年を経て蘇らせた異色のドキュメンタリィ映画『彼らは生きていた』

『彼らは生きていた』は2018年のドキュメンタリー映画で監督・製作はピーター・ジャクソンです。
帝国戦争博物館のアーカイブに眠っていた第一次世界大戦時のオリジナルフィルムを使用して製作された映画で、以前には大部分が顧みられることのなかったものであり、この映画の公開時から100年以上前の映像を収録しています。
音声には、戦争から生還した英国軍人をインタビューしたBBCと帝国戦争博物間の音源が使用されています。映像の大半は現代の製作技術でカラー化されており、より感情を喚起して兵士たちの実際の体験をより密接に感じ取れるように音声にも編集が施されています。
本作でジャクソンは初めての監督経験をしました。彼の祖父(映画が捧げられている)は第一次世界大戦の実戦を経ており、ジャクソンは映画でできごとやストーリーを物語るよりも、「実際に兵士になってみた」かのような生々しい体験をさせるものにしようと意図していました。製作班は200人の復員兵から聴取した600時間ものインタビューと100時間のオリジナルフィルムを検証しました。
映画のタイトルにもある「彼らは生きていた」はローレンス・ビニョンの1914年の詩「戦没者のために」の「残された我々が年をとっても、彼らは年をとらない」("They shall grow not old, as we that are left grow old")から引用されています。