帰らない日々 / Reservation Road

帰らない日々 / Reservation Roadのレビュー・評価・感想

New Review
帰らない日々 / Reservation Road
8

2つの立場を描いている。

とても重たい話でした。
もし、自分の子どもがひき逃げにあって死んでしまったら、そりゃあやりきれないし、犯人を探し出すまで何もできないと思います。警察の対応には腹が立ちました。そして、弁護士さんを見つけて、自分らで解決していく話かと思えば…でモヤモヤする話でした。もちろん加害者側にも加害者側の苦しみがあり、それはよく分かります。演技力も相まって、可哀相とすら思いました。でも、やっぱり、いやいや悪いのお前じゃん感が否めません。ちゃんと救護とかしていたらもっと違った感想だったかもしれません。
犯人捜しというよりも、被害者、加害者のそれぞれの立場を描いた作品です。その描き方はとてもいいと思います。いつ被害者になるかもわからないけど、加害者にならないとは言い切れないから、どちらの立場にも本当は共感できるはずなんです。それを感じさせられる映画でした。
子どもを突然亡くす父親はホアキン・フェニックスが演じていて、さすがでした。深い苦しみを感じましたし、それでいて怖いというか復讐心が強すぎる感じもしました。彼は精神が安定していない男を演じるときが一番魅力的だと思います。彼の作品をよく見てしまうのですが、この映画を見て、やはりすごい演技力だと思いました。