累 −かさね−(映画)

累 −かさね−(映画)のレビュー・評価・感想

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累 −かさね−(映画)
8

土屋太鳳劇場と言いたくなる、彼女の存在感の高さに驚き

過去に出演していた作品の印象から、土屋太鳳さんは純粋でピュアな明るい女の子イメージがありました。しかしそのイメージを良い意味で裏切ってくれました。この作品での彼女は、芳根京子さんが演じる累との初対面で高圧的な態度で傷を見て罵ったり、累の好きな人をが誰かを知っていながら顔を無理やり奪い取り一夜を過ごそうとしたり、悪女とも言えるようなニナを演じました。そんな悪女なニナを見て、映画の前半では「累がんばれ!!」と心の中で応援してしまうくらいでした。
しかし映画の後半では、ニナに同情してしまうようなニナと累が対立するストーリーが待っていました。その中でも印象深いのは、彼女のダンス力と演技力の高さに驚いた、演劇『サロメ』でのダンスシーンです。土屋太鳳さんは、海外アーティストのMVへの出演から、ダンスでの能力の高さは知っていました。そのダンスの上手さと演技力の高さから生まれる、妖艶で狂気的で妖しさを感じるダンスは、瞬きを忘れるくらい素晴らしいシーンでした。
この映画では彼女の存在感の高さを感じたが、一方見終わった後にいくつか疑問が残るような描き切らなさも感じました。私は少し不完全燃焼でしたが、考察しながらみる人には面白い結末ではないでしょうか。