フューリー

フューリーのレビュー・評価・感想

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フューリー
7

戦死率が異様に高かった第二次大戦の戦車兵の日常を描いた掌編『フューリー』

『フューリー』は2014年公開の米国戦争映画で、監督・脚本はデビッド・エイヤー、出演はブラッド・ピット、シーア・ラボウフ、ミカエル・ペナ、ジョン・ベルンサール、ジェイソン・イサーク、スコット・イーストウッドです。この作品では、第二次大戦欧州戦域の最後の数週間にドイツ軍と戦火を交えた米軍の戦車乗員を描いています。エイヤーは、家族の中にいた数人の復員兵やベルトン・クーパーの『死のトラップ』のような戦記小説から影響を受けて、第二次大戦時の米軍装甲部隊、とりわけ戦死率の高かった戦車乗員にまつわる話題を映画化しました。
1945年4月初め、ドイツ軍を追って連合軍が猛追撃を展開していた時に狂信的なドイツ軍部隊の抵抗に遭遇します。米陸軍軍曹ドン・「ウォーダディ」・コリヤーは歴戦の強者で、「フューリー」と渾名されたM4シャーマン「イージーエイト」戦車の戦車長を務めています。同じく歴戦の乗員は戦車砲手ボイド・「バイブル」・スワン、装填手グラディ・「クーンアス」・トラビス、操縦手トリニ・「ゴルド」・ガルシア、操縦助手兼機銃手の「レッド」です。彼らは全員北アフリカ戦線以来の戦友でした。
あるとき、ドイツ軍の対戦車砲弾が装甲を貫通してレッドの頭部に命中したせいで、レッドは戦死します。補充兵としてノーマン・エリソン一等兵が配属されてきます。ノーマンは第V軍団でタイピストを勤めていただけで戦場経験はまったくありませんでした。