センゴク

センゴクのレビュー・評価・感想

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センゴク
10

むしろ歴史に興味が無い人にオススメ!「センゴク」

ヤングマガジンで連載中の「センゴク権兵衛」だが、2004年から連載がスタートした戦国時代をモチーフとした超大作だ。
戦国時代と聞いて、「えっ、戦国時代?俺、歴史に興味無いんだよな」と、読まず嫌いで片付けしまう方も、少なからずいるでしょう。
しかし、「センゴク」は、むしろ歴史に関心が無い人こそ楽しめる作品である!
作者である宮下英樹先生はとにかく「こだわる」人の様で、作品を描くにあたり、徹底的に取材をし戦場の描写や解説が真に迫っており、
読む人間の心に食いつき中々離さない。
そして戦国時代といえば戦国大名達の政治的、戦略的な駆け引きが醍醐味であるが、宮下先生の「こだわり」はここでも遠慮知らずに発揮される。
特に滅びゆく大名家の描写が秀逸で、逃れられない死を悟り笑みを浮かべる頭首。
かたわらで涙する女達。
主君の首を敵に取らせまいと寡兵で多勢相手に奮戦する家来衆。
ついに最後は燃え盛る城の中で独りの戦国大名が自刃して果て、ひとつの物語は終了していく…。
戦国時代に詳しい知人いわく、「センゴク、もちろん面白いのだが、歴史を知らなかったらもっと楽しく読めただろう」
と言わしめる程、リアリティの高い作品である。
もちろん主人公である仙谷権兵衛も魅力あるキャラ(当然、実在した人物)で、他のヒーロ物マンガと同様に、さくさくとした感覚でも楽しめます。
歴史に関心が無い人(歴史が好きな人にも)、センゴクはオススメの一冊です!