ミュンヘン(映画)

ミュンヘン(映画)のレビュー・評価・感想

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ミュンヘン(映画)
7

血で血を洗うテロとその報復合戦をドキュメンタリータッチで描いた、スピルバーグ監督の傑作映画『ミュンヘン』

『ミュンヘン』は2005年公開の米国映画で、製作・監督はスティーブン・スピルバーグ、脚本はトニー・クシュナーとエリック・ロスの共同執筆です。原作はジョージ・ヨナスの1984年に発表された小説『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』です。映画と小説は共に、1972年の夏季五輪でパレスチナ解放機構(PLO)ゲリラがイスラエル選手団を虐殺したことに対するイスラエル政府による極秘の報復作戦「神の怒り」を巡るエピソードを扱っています。『ミュンヘン』の公開は2005年12月23日(北米はユニバーサルピクチャー、海外はドリームワークスピクチャー)で、この作品は最優秀作品賞候補、最優秀監督賞候補、最優秀脚本賞候補、最優秀編集賞候補、最優秀音楽賞の計5つのオスカーにノミネートされました。世界での収益は1億3000万ドル、そのうち米国内では4700万ドルで、スピルバーグの当たり作のなかではそれでも低収益の作品に止まりました。
1972年9月5日、ミュンヘンオ夏季五輪の開催期間中にパレスチナの過激派組織「黒い九月」のメンバーが、オリンピック村のイスラエル選手団宿舎で選手ら2人を殺害し、残る9人を人質に取り、さらにイスラエルに収監されているパレスチナ人同志の解放を要求しました。この事件に対し、イスラエル政府は報復を決意。報復作戦「神の怒り」が極秘裏に発動することになります。