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鬼才ウディ・アレン監督の作品転機となった映画『アニー・ホール』
1977年公開の『アニー・ホール』はウディ・アレン監督の米国コメディ映画で、脚本はマーシャル・ブリックマンとの共同脚本です。
製作はアレンのマネージャーのチャールス・H・ジョッフェです。
この作品ではウディ・アレン自身がエルヴィ・シンガーとして出演しており、ダイアン・キートン演じる登場女性との関係の破綻の理由に思い巡らそうとします。
映画のための写真撮影は、ロングアイランドのサウスフォークで1976年5月19日から始められ、約10か月間続きました。アレンはその結果を「主要な転換点」と記しました。この撮影はシネマトグラファのゴードン・ウィリスとの最初のコラボでした。
以前のアレン作品はコメディタッチが主流だったのですが、本作以降、作品はシリアスさの度合いを増したのです。
批評家たちはニューヨークとロスアンジェルスの設定の対比、ジェンダー的な相違観のステレオタイプ、ユダヤ人としてのアイデンティティの提示、精神分析やモダニズムの諸要素が作品に盛り込まれていることを指摘しています。
『アニー・ホール』は1977年4月20日の全米公式公開の前、1977年3月のロサンゼルス映画祭で上映されました。
作品は高く評価され、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しただけでなく、他の3つの分野でもオスカーを獲得しました。
2つはアレン(最優秀監督賞と最優秀脚本賞)、キートンが最優秀女優賞でした。