ベトナムから遠く離れて

ベトナムから遠く離れてのレビュー・評価・感想

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ベトナムから遠く離れて
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オムニバス形式でベトナム戦争の本質を洞察した問題作『ベトナムを遠く離れて』

『ベトナムから遠く離れて』は、1967年製作のドキュメンタリー映画で、監督はクリス・マルケル、共同監督として名前を連ねるのは、ジョリス・イヴァンス、クロード・レルーチ、アラン・レネ、ジャン-リュック・ゴダール、ウィリアム・クライン等です。
この映画は11部から構成されており、米合衆国のベトナム戦争への介入に集団で抗議する映画監督や映像技術者らによる作品です。
ドキュメンタリーとフィクションを交えて構成されている本作の目的はただ一つ、ベトナム戦争は貧者に対する富める者たちの戦争であること、言い換えれば、革命の第三世界が独立を賭けた戦いであることを示すことです。
1967年4月のニューヨークでのデモでは次のようなスローガンが掲げられました。
「富める者はますます豊かになり、貧者は殺される。」医薬品を積載した船舶をベトナムに送る事業のために資金集めを試みた後で、パリの画廊主ロベルト・ボッチはクリス・マルケルにコンタクトを取りました。
ボッチはアーティストが上記の事業に積極的に関わってきた様子を目にしてきましたが映画製作者は何もしていないことを認識しています。
しかし、ボッチはクロード・オツェンスベルガーを通してマルケルを知っていました。