リアリティ・バイツ

リアリティ・バイツのレビュー・評価・感想

New Review
リアリティ・バイツ
7

軽く観れるのに深いストーリー

大学を卒業し社会人になりたての若者が、実社会で働き生きていく厳しさを痛感するというのがストーリーの大筋です。1994年の映画で、まだ固定電話でやり取りしているような時代を描いていますが、いつの時代に見てもぶれることのないストーリー性であることは確かです。社会に出た自立したての若者が、家賃の支払いに苦労したり、周囲の人間の生き方が気に食わなかったり、人間関係に悩まされたりするという内容は、どの時代に生きる私たちにも通じるものがあります。ファンタジーやアクション、現実離れした設定は一切ありませんが、私たちの日常に身近なことや誰しも一度は経験したことがあるような内容だからこそ、観ていて登場人物たちと同じ気持ちになれます。結末で、登場人物たちがあえて完璧な答えを出していないという部分も映画のテーマに深みを与えていていいです。また、主人公のリレイナという女性に取り巻く2人の男性との成り行きがどうなっていくのかも気になるところです。ただ日常を映しているだけではなく、そういった結末が気になる部分もあるので、観ていて飽きないと思います。激しいアクションやバッドエンドに疲れてきたという人には、ドラマ性もコメディー要素もあるこの映画がおすすめです。