東村アキコ作品の中で、今でも一番好きです。
東村アキコさんの2006年から講談社モーニングにて連載されていたマンガ。東村アキコ自伝的な内容のマンガでもある。
おそらく自分のマンガ家デビュー当時のエピソードを限りなく本当に使用しているものと思われる。
実際にOLから少女漫画家として成功していく主人公アキコは、東村アキコそのものなのであるだろうし、そこに絡んでいく家族のエピソードも本物の家族のエピソードなのだろう。
この家族のエピソードなどが、かなり濃い内容で、一つ一つがおもしろすぎて、13巻までのコミックス完結までに何回笑ったか数え切れない。
特にサブタイトルにもなっている『健一レジェンド』の父・健一のエピソードはぶっ飛びすぎていて、もはやギャグである。
が、実際に本当にあったエピソードなんだろうなあと思わされる。
こんな父がいるなら、やはりエピソードを世間に披露しなくてはならないだろう。
そして、この物語の大きな柱は、主人公アキコと植木屋さんのケンイチ(父と同名)の恋物語なのであるが、これまたスムーズにすすまない。
この二人の歯がゆい恋物語なのだが、13巻にわたって繰り広げられるキャラの濃すぎる脇役達の暴走に次ぐ暴走で、本当に進まないのである。
中でも、敏腕副主任と、美人秘書エビちゃんが繰り広げる寸劇が最高すぎる!
エビちゃんが蟹江先輩を思い切なく歌い上げる「恋におちて」はもはや最高!としかいえないし、節子が歌う「木綿のハンカチーフ」は以外に心に染みる。
これ以上は、実際に読んでもらうまで、紹介できない。
なぜなら、これ以上のネタバレはもったいなさすぎるし、読む際にも一気読みは禁止でお願いしたい。
一日一冊ずつじっくり読み進めるのを、強くおすすめする。