北京のふたり

北京のふたりのレビュー・評価・感想

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北京のふたり
10

トラブルに巻き込まれるアメリカ人ビジネスマンと彼を救うために奔走する中国人女性弁護士の活躍

中国の司法制度ほど怖いものはないと思った。どんどん嘘の証人が仕立て上げられ、嘘の証言をもとに裁判が進行していってしまう。リチャード・ギア扮するアメリカ人ビジネスマンを援護するうちにその人柄に打たれ、中国人の女性弁護士も真剣に彼を救おうと、必死で証拠を集め弁護する。人間と人間のぶつかり合いの末、彼女もこれまでの生き方を変え、困難に挑戦しようとする人間的成長がみられる。必死で彼を救おうとして窮地に陥っていく弁護士を救うため、逃げた大使館からまた独房へ自ら戻る主人公。本当に男らしくて胸を打たれる。もし実際に海外でこのようなトラブルにあったら、大使館などは本当にあてにならないのかもしれない。実際リチャード・ギアの味方は弁護士ただ一人だった。その期待に応え証拠を集め裁判を進める有能な彼女。「中国を変えたい。」強くそう願う彼女を心から応援したくなった。人間同士の信頼関係を作るのに国境は関係ないんだと思う。映画を見ていくうちに、私も女性弁護士が好きになった。ああいう危機を共にした男女は強く結ばれるんだと思う。彼女が最後に主人公に投げた言葉、「忘れないで。本国に帰っても、地球の裏側にあなたの家族がいる。」思わず抱きしめたくなる彼女の言葉だった。ああいうビジネスマン、ぜひ出会いたいものである。本当に主人公にとって人生を変える出会いになったと思う。やっぱり未練があると別れづらいよね。